がん細胞の増殖をおさえる治療法で、アルキル化薬、代謝拮抗薬、アントラサイクリン、プリンアナログと呼ばれる薬剤があります。初回治療としては、これらと抗CD20抗体（分子標的薬）を組み合わせた治療を行うことが一般的です。ただし、正常な細胞も攻撃してしまうため、副作用が強くあらわれてしまうことがあります。

がん細胞の内外にあるたんぱく質を狙い撃ちして、がんを効率よく攻撃します。がん細胞を集中的に攻撃するため、正常な細胞に害をおよぼすことが比較的少ない治療法とされています。
また、体の免疫システムである抗体がもつ、特定の異物（抗原）を体内から排除する働きを利用した治療法として、抗体医薬品と呼ばれる注射薬や、低分子化合物と呼ばれる飲み薬などといった新しい選択肢が増えつつあります。

患者さん自身の造血幹細胞を前もって採取しておき、抗がん剤の大量投与などの治療後、患者さんに戻す（移植する）ことで造血機能の回復を図る治療法です。MCLでは、65歳以下の比較的若年の患者さんの場合、初回治療として強度の強い化学療法を行い、効果がみられた場合に自家造血幹細胞移植を地固め療法として行うことがあります。

高エネルギーX線などの放射線を利用してがん細胞の増殖をおさえる治療法です。体外に設置された装置からがんに放射線を照射する外照射療法が一般的に行われます。これは照射した部位（局所）に対して有効な治療法です。

ドナー（造血幹細胞の提供者）の造血幹細胞を患者さんの体に移植し、患者さんの体の中に残っている腫瘍細胞を攻撃してくれる効果（移植片対腫瘍効果）に期待した治療法です。なお、移植された造血幹細胞に拒絶反応を示さないよう、抗がん薬などで患者さんの免疫システムを壊す必要があります。また移植片対宿主病や感染症などのリスクもあります。一般的に副作用が強くリスクが高い治療なので、高齢の方や臓器障害のある方では実施できません。