慢性GVHD について
急性GVHDについて
急性GVHDの症状
急性GVHDでは皮膚、肝臓、消化管の3つの臓器が主に障害されるため、皮疹、黄疸、下痢などの症状があらわれます。
急性GVHDの予防
造血幹細胞移植後には、GVHDを予防するため、免疫抑制剤を使用します。多くの場合、作用の仕方が異なる免疫抑制剤が組み合わされます。
急性GVHDの治療
GVHD予防を行っても、GVHDを完全に防ぐことはできません。発病した場合、重症度(Grade)を判定し、治療を開始するかどうか決定します。一般的にはGradeⅡ以上の場合に治療が開始されます。まずは一次治療、効果が不十分な場合には二次治療に移行します。
臓器障害のStage
Stage | 皮膚 | 肝 | 消化管 |
---|---|---|---|
皮疹(%) | 総ビリルビン (mg/dL) |
下痢 | |
1 | <25 | 2.0~3.0 | 成人500~1,000mL 小児280~555mL/m2(10-19.9mL/kg) または持続する嘔気 |
2 | 25~50 | 3.1~6.0 | 成人1,001~1,500mL 小児556~833mL/m2(20-30mL/kg) |
3 | >50 | 6.1~15.0 | 成人>1,500mL 小児>833mL/m2(>30mL/kg) |
4 | 全身性紅皮症、 水疱形成 |
>15.0 | 高度の腹痛(+/ー腸閉塞) |
急性GVHDのGrade
Grade | 皮膚stage | 肝stage | 腸stage | ||
---|---|---|---|---|---|
Ⅰ | 1~2 | 0 | 0 | ||
Ⅱ | 3 | or | 1 | or | 1 |
Ⅲ | - | 2~3 | or | 2~4 | |
Ⅳ | 4 | or | 4 | - |
- 平成30学会年度日本造血細胞移植学会ガイドライン委員会(編):造血細胞移植ガイドラインGVHD(第4版).日本造血細胞移植学会, 2018年, p.5.